外壁塗装工事には工事金額の「10%を補助してくれる制度」があります。
住宅の外壁塗装工事は決して安価ではなく、数十万円~数百万円かかるのが一般的です。マイホームをお持ちの方は、購入した時にメンテナンス費用がかかってしまうことはある程度覚悟していることでしょう。しかし、実際にそのメンテナンス時期が訪れると必然的に「少しでも費用を抑えたい」と感じてしまうものです。
近年では空き家の増加事情や地域活性化を目的とし、住宅の価値を高める働きのある工事について「国や自治体が一部工事費用を負担」する補助金・助成金制度が実施されています。
補助金・助成金が適用される項目は下記の通りです。
- 耐震や防災を目的とした工事
- 省エネや環境対策が見込める工事
- バリアフリー等の高齢者へ向けた工事
この中でも外壁塗装工事は「省エネ効果」を向上させる目的のある工事が該当します。
もちろん補助金や助成金を受け取るに辺り様々な条件や方法がありますが、制度の内容によっては最大で「20万円の補助」も受けられます。これらの制度を上手く利用して「負担のない外壁塗装」を実現しましょう。
この記事では補助金を受け取る条件と手順を解り易く解説していきたいと思いますので、是非参考にしてみて下さい。
目次
1.外壁塗装の補助金・助成金とは
外壁塗装工事で対象となる塗料は「遮熱塗料」と「断熱塗料」の2つになります。
遮熱塗料と断熱塗料は「省エネ効果が見込める塗料」として推奨されており、これらを使用した「外壁塗装工事」が主な対象となります。
ただし全ての遮熱・断熱塗料が該当するわけではありません。
塗料の確実な性能を補償・認定するためにJIS規定の番号設定がされている遮熱・断熱塗料でないと補助・助成金制度の対象にはなりませんので注意しましょう。
JIS規定番号が設定されている遮熱・断熱塗料は下記の通りです。
商品名 | メーカー名 |
---|---|
サーモアイSi | 日本ペイント株式会社 |
クールタイトSi | エスケー化研株式会社 |
アングリーンコートⓇ | 日本中央研究所株式会社 |
ガイナ | 株式会社日進産業 |
こちらの記事では遮熱塗料・断熱塗料について詳しく紹介されていますので併せてご覧ください。
【断熱塗料|外気の熱を徹底的にブロック!省エネ効果を実現する塗料」】
【遮熱塗料|-2℃の遮熱を見込める確かな効果とふさわしい4つの住宅】
2.補助金・助成金の申請方法
補助金・助成金の申請方法は下記の表をご覧ください。
2-1.自治体に問い合わせ/業者から見積もりを取る
まずは、該当する自治体の制度内容と業者からの見積り提示を同時進行で行います。
見積り内容と比較して、希望の工事内容と制度条件が一致する制度を確認し、自治体へ問い合わせを行います。
2-2.事前申込書類を自治体へ提出
補助金制度を申請するに辺り提出しなければならない書類があります。自治体から必要書類を受け取り記入し、提出しましょう。
2-3.工事着工~工事完了
問題なく書類の提出が完了し工事が着工したら、塗装工事の状況写真と工事完了時に完了写真を撮影する必要があります。業者に依頼すれば撮影してくれる業者もいますので聞いてみましょう。
2-4.補助金交付申請書の提出
工事の完了後に提出する申請書です。
2-5.補助金交付決定書・補助金確定通知書を受領
補助金について決定事項が記されている「決定通知」が届きます。これらの書類は申請が全て完了するまで大切に保管しておきましょう。
2-6.補助金を指定口座にて受領
決定された補助金額が指定口座に振り込まれます。
実際に補助金・助成金を受け取るまでには2ヶ月程かかるので覚えておきましょう。また、業者によっては申請手続きを全て行ってくれる(有料の場合有)ところもありますので、その点も踏まえて業者を探してみても良いでしょう。
3.補助金・助成金を利用するための4つのポイント
補助金・助成金制度は専門的な内容が多く、尚且つ地域や自治体によって内容が異なりますのでお住まいの地域の特性をしっかりと認識しましょう。
3-1.地域の自治体を確認しよう!
まずはご自宅の地域や自治体で、どういった補助金制度が実施されているのか自治体のHP、または電話にて問い合わせて確認してみましょう。
下記のサイトでは外壁塗装工事が該当する補助金を地域別に検索することが出来ます。
地方公共団体における「住宅リフォーム」に係わる支援制度検索サイト(平成29年度版)
現在(平成30年3月)で実施されている制度はあまりありませんが、定期的にチェックするようにしましょう。
「省エネルギー化」にチェックを入れ「都道府県」欄で選出し「検索」ボタンで検索できます。
一覧の中から該当する地域を探し、外壁塗装工事で当てはまる項目があり、尚且つ地域が一致すれば申請することが出来ます。
3-2.異なる制度内容を理解しよう!
内容によっては応募できる条件が異なりますので、自分が当てはまる制度があるのか内容を理解する必要があります。
下記は応募条件を確認するためのチェックポイントです。
チェックポイント①
窓・壁等の断熱化工事の場合、使用した塗料費等を全額負担してくれるという内容です。外壁塗装の塗り替え工事の項目に該当することを意味します。
チェックポイント②
このように対象となる費用条件は一つだけでない場合もありますので、申請前に詳細を問い合わせる必要があります。
チェックポイント③
区内・市内に在住し、尚且つ建物も同じ環境にあるもののみという条件です。
チェックポイント④
募集内容によっては、区内または市内にある施工業者のみに委託した場合のみ対象と言う条件がありますが、こちらの募集内容では、施工業者に関する条件に決まりがないという意味になります。
続いてはこちらの例もご覧ください。
チェックポイント①
省エネルギー化⑴窓・壁等の断熱化工事と省エネルギー対策工事の実施と言ったように、具体的な詳細が書かれていません。省エネルギー化対策工事と言っても、外壁塗装工事以外での工事方法もいくつかありますので、どの工事に当てはまるか確認する必要があります。自治体に詳細を問い合わせましょう。
チェックポイント②
工事金額の合計(税抜)のうち、5%に相当し、尚且つ上限額は10万円までと細かな条件を指定していることがわかります。
チェックポイント③
住民税・市民税等を滞納している方は申請できないといった条件です。
このように自治体や申請内容によって条件等の中身に差があることから、検索し該当する申請枠があったとしても、事前に詳細を確認しておくとスムーズに行えます。
3-3.申請するタイミング
事前承認でも問題がない場合もありますが、制度の大半は工事前に申請が必要です。さらに、制度によっては期限が限られているものもあります。
助成金は比較的に申請期間が長く利用しやすいのことが特徴で、反対に補助金は申請期間がみじかいことが特徴です。
例えば2015年度に実施された「長期優良化リフォーム推進事業(上限額200万円の補助金支給)」と言った制度がありましたが、この申請期間はたったの5日間と非常に短い期間だったので気付かない人の方が多かったとの事です。しかし、申請者が少ないことで当選しやすくなりますので、こういった埋もれている情報を逃さない為にも小まめにチェックしてみるといいでしょう。
3-4.よく見られる条件
各自治体では様々な申請条件を提示していますが、よく見られる条件をご紹介したいと思います。
同一業者での施工
外壁塗装工事以外の工事も同時に行う場合に「同一業者に依頼しなければならない」と言う条件です。例えば外壁塗装工事と屋根工事を行う場合、塗装は塗装専門業者・屋根修繕工事は屋根専門業者に分けるのではなく、両施工とも「同じ業者」に依頼し施工を行ってもらう必要があります。
こうした事から、依頼する業者が仮に塗装業者しか行えない場合は違う業者を見つけるか、もしくは塗装業者のみを依頼するようにしましょう。
さらに同じ自治体内に会社がある業者でなければならない等、業者に対する条件が細かく指定されている制度もありますので内容をきちんと確認しましょう。
工事金額の最低金額
これは工事をするにあたり、工事金額に対して提示されている条件です。
例えば「200万円以上の工事に限り、その内の10%を補助する」と言ったように、工事費用に対して「最低金額」が提示されているケースが多いです。もちろん、最低金額に満たない工事の場合は補助金制度の対象にはなりませんし申請も出来ません。
上限ギリギリまでの範囲で工事内容を決めても問題はありませんが、新たな工事を依頼して工事金額が高額になってしまうと大きな負担となってしまうため、業者と相談しながら上手なバランスを保つことが大切です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
住宅に関する補助金の申請は確かに手間が掛かる大変な作業になりますが、住宅の負担を減らす有効的な制度ですので、もしご自身の地域または自治体で実施が行われた場合は積極的に利用しましょう。
また、今回は外壁塗装工事に関わる補助金・助成金のご紹介をさせて頂きましたが、他のリフォーム工事に関連する申請条件も多数ありますので、住宅のリフォームを検討している方は、工事の内容が決まり次第その内容に当てはまる申請を探してみましょう。
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