トタン屋根は他の屋根材に比べると傷みやすく、様々な劣化症状が起こります。そのため、訪問販売業者に劣化を指摘されることも少なくないでしょう。高い金額で契約を取ろうと、まだ必要のない工事を提案してくる業者も中にはいます。
無駄な金額を払わないためには、劣化症状ごとにどういった工事が必要で、それにはどれ位費用がかかるのか把握しておくことが大切です。
そこで今回はトタン屋根に起こる劣化症状ごとの修理費用をまとめました。ぜひ参考にしてください。
目次
1.トタン屋根の劣化症状ごとの修理費用
それぞれの修理にどれ位の費用がかかるのか以下にまとめました。
1-1.【初期の劣化症状】色あせ・変色・塗膜の剥がれ
トタン屋根塗装の費用は約34万円(30坪)~39万円程が相場になります。
修理項目 | 費用相場 |
---|---|
塗装 | ¥336,000~¥388,500 |
トタン屋根に塗られた塗料が紫外線などによって傷んでくると、色あせが起こります。色あせが進行していくと塗膜が剥がれてきます。経年劣化以外にも、塗料が密着しづらい性質や、塗装を繰り返し過ぎて塗膜が厚くなりすぎてしまったなどの理由から塗膜が剥がれてくることもあります。
そのまま放っておくと雨水を吸収しやすくなってしまうので、ツヤが失われて全体的にくすんできたら塗装のベストタイミングです。
1-2.【重度手前の劣化症状】サビ・穴
出典:アースホーム合同会社
サビや穴が広範囲に見られず数カ所である場合は部分葺き替えなどの一部修理作業になり、修理面積や何の屋根材を使用するかによって金額が異なるので、下記の表を参考にしてください。
修理項目 | 単位 | 費用単価 |
---|---|---|
トタン材撤去費 | ㎡ | ¥1,200~¥2,000 |
野地板 | ㎡ | ¥2,000~ |
ルーフィング | ㎡ | ¥650 |
トタン | ㎡ | ¥5,000~ |
ガルバリウム鋼板 | ㎡ | ¥5,500~ |
軒先板金 | ㎡ | ¥1,500 |
塗装の剥がれや傷が起こると金属部分が露出してしまい、雨水などにより錆びやすくなってしまいます。サビは広範囲に広がっていき、やがて腐食して穴が開いてしまうこともあり、雨漏りの原因となります。なので、サビが出る前に塗り替えをすることが重要です。
1-3.【重度な劣化症状】トタン屋根材の剥がれ・雨漏り
出典:株式会社ゼファン
下記の表は、トタン屋根の葺き替え工事で多く選ばれるガルバリウム鋼板を用いた場合(30坪)の費用相場です。
修理項目 | 費用相場 |
---|---|
カバー工法 | ¥739,200~¥1,009,800 |
葺き替え | ¥871,200~¥1,471,800 |
雨漏りが確認できる場合は、心木やルーフィング、場合によっては野地板まで腐っていることがあります。そうなると塗装では直すことができないので、カバー工法か葺き替えで屋根材を新しくする必要があります。
傾斜が緩やかなトタン屋根など、場合によっては希望の屋根材で葺き替え工事ができないこともあります。なので、屋根材や工事方法は必ず専門業者と話し合って決めるようにしましょう。
2.トタン屋根修理の業者の選び方
トタン屋根の修理は適正な修理方法を選択する必要があり、専門業者に依頼することが工事の成功につながります。
しかし、一口に専門業者と言っても、どう見分けたら良いのか判断に困るのも事実です。「○○塗装店」や「○○板金」や「○○瓦屋」などという業者の屋号が専門業者の判断目安になりますが、塗装も屋根工事も得意なのに、開業当初の業種を屋号につけたまま経営している業者もたくさんいます。
例えば、「板金」と付く業者は何の板金工事に特化しているのか、屋号からだけでは判断できません。金属屋根の加工がメインなのか修理がメインなのか分かりませんし、住宅関係ではなく車業界に特化している場合もあります。
そこで、以下にトタン屋根の修理業者の選び方について解説します。
2-1.施工実績を確認する
工事依頼を検討している業者が望んでいる工事の施工実績があるか確認しましょう。今はホームページで施工事例を挙げている業者も多く、トタン屋根の修理実績を確認することができます。また、動画で工事の様子を撮っている場合もあるのでどんな工事内容になるのかも確認できます。
2-2.複数社から見積もりを取る
カバー工法や葺き替えなど、大がかりな工事になる場合は、適正価格や適正方法を知るためにも必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
複数の見積もりを比較する際は、金額だけでなく、業者の態度や提案内容なども見るようにしましょう。例えば、「ハシゴをかけて屋根の上を見てくれた」とか「写真を撮って劣化状況を説明してくれた」とか「コストパフォーマンスを考えて葺き替えを提案してくれた」など、誠意を感じる業者を選ぶようにしましょう。
また、工事後も何かあったら対応してくれるアフターサービスが充実していることも優良業者の証です。
3.まとめ
いかがでしたか?
無駄な工事に高い費用を払わないためにも、しっかりと劣化の状況を把握し、専門業者に工事を依頼するようにしましょう。
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