「ルーフィングってなに?」「どんな工事をするの?」そう疑問に感じてルーフィングについて調べていませんか?
ルーフィングとは瓦やスレートなどの屋根材の下に葺く「防水シート」を指しますが、雨水の侵入を防ぐ、二次防水として非常に重要な役割を果たしています。
この記事では、ルーフィングの種類や耐久性、メンテナンス方法について具体的に解説します。
屋根リフォームや新築住宅で屋根の仕様を検討する際に、ルーフィングに関する知識を持つことで、雨漏りの危険を回避して住宅の資産価値を最大限保存できるようになるので是非、参考にして頂ければと思います。
目次
1.ルーフィングとは
出典:FC2
ルーフィングとは屋根の防水シートで、二次防水として雨水の侵入を防ぐ役割があります。
一般的に雨漏りは瓦などの屋根材が破損することで雨水が侵入すると思われていますが、二次防水であるルーフィングで最終的に雨漏りの侵入を防いでいます。
このようにルーフィングとは防水シートであり雨水の侵入を防ぐ屋根の二次防水として重要な役割があります。
2.ルーフィングの種類
種類 | アスファルトルーフィン940 | 改質アスファルトルーフィン | 透湿ルーフィング |
---|---|---|---|
画像 | |||
材料費 | ¥200〜/㎡ | ¥400〜/㎡ | ¥500〜/㎡ |
耐用年数(耐久性) | 15年 | 30年 | 50年 |
メリット | ・費用が安い | ・破れにくい ・耐久性が高い |
・通気性が高い ・野地板を乾燥させる ・結露しにくい |
デメリット | ・破れやすい ・耐久性が低い ・湿気がたまる |
・初期費用が高い ・湿気がたまる |
・初期費用が高い |
ルーフィングは「アスファルトルーフィング」と「改質アスファルトルーフィング」の2種類が一般的に普及しています。
その他に、「透湿ルーフィング」と呼ばれる、通気性のあるルーフィングも普及してきました。
ルーフィングの種類によって特徴やメリット・デメリットが異なるのでルーフィングの種類について具体的に解説します。
2-1.アスファルトルーフィング940
アスファルトルーフィングとは基材にアスファルトを被覆した防水シートです。簡単に言えばアスファルトを染み込ませた紙です。
屋根の防水下地材としてJISA6005で規定されており、瑕疵保険の対象にするための最低限の防水性能をクリアしているルーフィングです。
他のルーフィングと比べて価格も安いのでローコスト住宅や屋根リフォームでも普及率の高いルーフィングです。
2-2.改質アスファルトルーフィング
改質アスファルトルーフィングはアスファルトに合成ゴムや合成樹脂を混合して、従来のアスファルトルーフィングよりも防水性能を向上させたルーフィングです。
日本で普及しているルーフィングの大半がアスファルト系のルーフィングで「改質」と「940」のシェアは半々くらいです。
2-3.透湿ルーフィング
透湿ルーフィングとは通気性のある次世代のルーフィングです。
アスファルト系のルーフィングと異なり、通気性があるために野地板が腐食しにくいのが特徴です。
価格が高額なことから日本ではあまり普及していませんが、住宅の長寿命化を目指す日本において、徐々に注目度が高まっている商品です。
3.ルーフィングの価格
種類 | 耐用年数 | 単価 | 参考価格 |
---|---|---|---|
アスファルトルーフィング940 | 15年 | ¥200〜¥300/㎡ | ¥19,800 |
改質アスファルトルーフィング | 30年 | ¥400〜¥500/㎡ | ¥33,000 |
透湿ルーフィング | 50年 | ¥500〜¥600/㎡ | ¥39,600 |
※参考価格は建坪が30坪の寄棟屋根の住宅を想定しています。 |
4.ルーフィングの施工方法
ルーフィングは屋根の二次防水として重要な役割があり、ルーフィングの施工品質が屋根全体に防水性能に直結します。
ルーフィングの施工不良や手抜き工事を発生させないために、ルーフィングの施工方法について理解を深めましょう。
4-1.ルーフィングの葺き方
雨水は屋根お棟先(上)から軒先(下)に向かって流れます。内部に水が入リ込まないように、ルーフィングは軒先(のきさき)から棟先(むねさき)に向かってはります。
その際は、重ね代を十分にとることと、谷樋などの雨漏りが発生すやすい箇所は2重、3重に重ねて施工をすると雨漏りに対して耐性を持たせることができます。
4-2.ルーフィングの留め方
ルーフィングの固定方法には「タッカー留め」と「粘着層留め」の二つの種類があります。ルーフィングの種類によって固定方法が異なるでのでそれぞれ解説します。
4-2-1.タッカー留め
タッカー留めとは、大きなホチキスでシート状のルーフィングを留める固定方法です。アスファルトルーフィングの940で一般的な固定方法です。
4-2-2.粘着層留め
粘着層留めとは、ルーフィングの裏側が粘着層になっていて、そのまま野地板に貼り付ける固定方法です。改質アスファルトルーフィングや透湿ルーフィングなどで用いられることが多いです。
タッカー留めは、ステープル(ホチキスの芯)でルーフィングに穴が開いてしまいますが、粘着層留めは穴が全く開かないのが特徴です。
5.ルーフィングの良くある質問
5-1.ルーフィングが雨ざらしになっていますが大丈夫ですか?
ルーフィングは屋根の二次防水であり防水素材なために、小雨程度の場合は全く問題ありません。しかし、台風などの暴風雨の場合は、防水シートの隙間から雨水が侵入してしまい、野地板を腐食させる恐れがあります。
施工業者は天候を確認しながらルーフィングの施工を行うので、台風などの暴風雨に雨ざらしになることがはありえません。万が一、暴風雨の際に雨ざらしになっていたら屋根工事を進める前に点検するようにしましょう。
小雨や通常の雨の場合は問題はありません。
5-2.ルーフィングが破れていた際の対処方法
新築や屋根リフォームの施工中にルーフィングが破れているのが発見したら、直ちに現場責任者に確認をとり、施工を注意してもらいましょう。
屋根材を設置するとルーフィングが見えなくなり、確認することができなくなります。
また、屋根の雨漏りはルーフィングの施工不良が原因であることも多いために、ルーフィングが破れていたり、穴が開いているのを発見した場合は現場責任者に確認をとり、施工を中止してもらいましょう。
まとめ
いかがでしたか?ルーフィングについてご理解いただけたかと思います。
ルーフィングは屋根の二次防水として重要な役割を果たします。ルーフィングの種類とメリット・デメリットを踏まえて選ぶことが大切です。
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