「屋根の葺き替え工事の見積もりを取ったけど、適正価格かどうか分からない」「自宅の屋根の葺き替えの費用はいくらなの?」そう疑問い感じて屋根の葺き替え工事の費用について調べていませんか?
「大手リフォーム会社なら安心」「CMで見たことがある業者だから信頼出来る」と思って、業者の見積もり金額を鵜呑みにすると相場価格よりもはるかに高額なこともあるので、見積もり金額の妥当性をしっかりと確認することが重要です。
また、「瓦が浮いてますよ!」「今すぐ工事をしないと雨漏りが発生しますよ!」と、突然訪問してきた業者に屋根の劣化を指摘されたり、契約を急かされたりする場合は、簡単な部分補修で修理できる劣化症状もあるので、契約の際は絶対に即決せずに「屋根の葺き替え工事の必要性」をしつかりと見極めるようにしましょう。
この記事では、屋根葺き替え工事を検討していらっしゃる方を対象に、屋根葺き替え工事の費用や自宅の屋根の適正価格の算出方法について解説します。
この記事を読むだけで、屋根の葺き替え工事の適正価格と葺き替え工事に有利な業者の種類について分かるので是非参考にしてみて下さいね。
目次
1.屋根の葺き替え工事の費用
屋根の葺き替え工事は、スレート瓦や日本瓦といった屋根材の種類によって費用対効果の高い工法が異なります。
そのため、自宅の屋根材の種類に応じた最適な葺き替え方法について知ることが重要です。
例えば、日本瓦やセメント瓦などの瓦屋根は、金属屋根のガルバリウム鋼板に葺き替えることによって屋根の軽量化が図れるために住宅の耐震性能が向上し、地震に強い住宅になります。
このように屋根の葺き替え工事は既存の屋根材の種類によって費用対効果の高い工法が異なるので、自宅の屋根材に応じた屋根の葺き替え方法を理解することが重要です。
それでは、具体的に屋根材別の葺き替え工事の費用相場についてみていきましょう。
1-1.瓦屋根の葺き替え工事の費用
葺き替えの種類 | 30坪(66㎡) | 40坪(87㎡) | 50坪(108㎡) |
---|---|---|---|
日本瓦(セメンと瓦)→日本瓦 | ¥1,003,200~¥1,801,800 | ¥1,322,400~¥2,375,100 | ¥1,641,600~¥2,948,400 |
日本瓦(セメンと瓦)→スレート瓦 | ¥1,003,200~¥1,603,800 | ¥1,322,400~¥2,114,100 | ¥1,641,600~¥2,624,400 |
日本瓦(セメンと瓦)→ガルバリウム鋼板 | ¥805,200~¥1,405,800 | ¥1,061,400~¥1,853,100 | ¥1,317,600~¥2,300,400 |
日本瓦やセメンと瓦などの瓦屋根の葺き替えは、屋根の軽量になり住宅の耐震性能が向上することから、金属屋根のガルバリウム鋼板に葺き替るのが現在の主流です。
ガルバリウム鋼板が普及する以前は、「スレート瓦」に葺き替えられるのが主流でしたが、スレート瓦は耐用年数が25年〜30年と短期的で、屋根塗装によるメンテナンスが必要でした。
一方で、ガルバリウム鋼板は耐用年数が40年〜50年と屋根材の中でも長期的で、沿岸部の塩害が発生する地域や工場地帯などの酸性の強い地域以外では屋根塗装などのメンテナンスの必要はありません。
そのため、日本瓦やセメント瓦などの屋根材は屋根の軽量化と費用対効果の観点から金属屋根のガルバリウム鋼板への葺き替えが現在の主流です。
瓦屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えてしまうと、和風住宅特有の美観性が損なわれることを心配される方も多いです。現在では「瓦型」のガルバリウム鋼板も普及しているので、住宅の美観を心配される方は、「瓦型」のガルバリウム鋼板の導入も検討してみましょう。
1-2.スレート屋根の葺き替え工事の費用
葺き替えの種類 | 30坪(66㎡) | 40坪(87㎡) | 50坪(108㎡) |
---|---|---|---|
スレート瓦→スレート瓦 | ¥805,200~¥1,201,200 | ¥1,061,400~¥1,583,400 | ¥1,317,600~¥1,965,600 |
スレート瓦→ガルバリウム鋼板 | ¥871,200~¥1,471,800 | ¥1,148,400~¥1,940,100 | ¥1,425,600~¥2,408,400 |
スレート瓦→ガルバリウム鋼板(カバー工法) | ¥739,200~¥1,009,800 | ¥974,400~¥1,331,100 | ¥1,209,600~¥1,652,400 |
スレート瓦は、屋根材を撤去する従来の葺き替え工事ではなく、費用対効果の高い既存のスレート瓦の上に新しい、屋根材(ガルバリウム鋼板)を被せるカバー工法が現在の主流です。
スレート屋根のガルバリウム鋼板によるカバー工法は、屋根が二重構造になり、雨漏りの原因の特定が困難になるというデメリットがありますが、葺き替え工事と比べて、20万円〜30万円ほど安く屋根を葺き替えることができます。
そのため、スレート屋根の葺き替え工事はカバー工法でガルバリウム鋼板に葺き替えるのが現在の主流です。
1-3.トタン屋根の葺き替え工事の費用
葺き替えの種類 | 30坪(66㎡) | 40坪(87㎡) | 50坪(108㎡) |
---|---|---|---|
トタン→ガルバリウム鋼板 | ¥871200~¥1471800 | ¥1148400~¥1940100 | ¥1425600~¥2408400 |
トタン→ガルバリウム鋼板(カバー工法) | ¥739200~¥1009800 | ¥974400~¥1331100 | ¥1209600~¥1652400 |
トタン屋根は低価格で耐用年数の長い屋根材に葺き替えられることから、カバー工法によるガルバリウム鋼板に葺き替えが現在の主流です。
トタン屋根の耐用年数は15年〜20年と短期的で、10年に1度を目安に屋根塗装が必要ですが、ガルバリウム鋼板に葺き替えることで、塗装によるメンテナンスの必要が無くなります。
そのため、導入コストとメンテナンスコストを含めて費用対効果が高いために、トタン屋根の葺き替えはカバー工法によるガルバリウム鋼板への葺き替えが主流です。
2.屋根の葺き替え工事の概算費用の算出方法
屋根の葺き替え工事は一生で1度あるか無いかの工事のために、多くの施主が費用相場を知らないまま、業者から提示された見積り価格を鵜呑みにし、高いのか、安いのか分からないまま、業者と工事契約を交わしてしまう方も少なくありません。
そのため、業者と契約を交わす前に、自宅の屋根の葺き替え費用をある程度予測し、だいたいの概算費用を把握しておくことが失敗を回避する秘訣です。
実際に、弊社にご相談頂いた事例で、相場価格では180万円〜190万円ほどの屋根の葺き替え工事が、320万円で見積もられていた事例もあります。
このような損失を回避するために、実際に業者に工事を依頼する前に、自宅の屋根葺き替え工事の概算費用を予測しておくことが重要です。
それでは、具体的に屋根の葺き替え工事の費用の算出方法について見ていきましょう。
2-1.屋根の葺き替え工事の施工面積を算出しよう
まずは、屋根の葺き替え工事の施工面積を算出しましょう。
施工面積を知ることで、「施工面積を多く見積もる」などの見積もり価格の不正を見破ることおができるようになります。施工面積は下記の式で算出できます。
参考までに建坪別の早見表を記載しておきますね。
建坪(平米数) | 屋根面積(㎡) | 足場面積(㎡) |
---|---|---|
30坪(99.3m2) | 120~129 | 175~189 |
35坪(115.9m2) | 130~139 | 190~204 |
40坪(132.4m2) | 140~149 | 205~219 |
45坪(149.0m2) | 150~164 | 220~234 |
50坪(165.5m2) | 165~180 | 235~249 |
2-2.屋根の葺き替え工事の単価相場を算出しよう
屋根葺き替え工事の費用は、「施工面積」と「施工単価」「屋根材の単価」を掛ければ全体の費用を算出することができます。
屋根の葺き替え工事の見積もり項目ごとの単価相場を知ることで、見積もり全体の妥当性が分かるようになります。
また、大幅な値引きがあった際に、「本当に安くなっているのか?」「もともと高かったのではないか?」と業者の提案の妥当性を確認できるようになります。
このように見積もり価格の妥当性を確認するために「各施工単価」と「屋根材の施工単価」について理解を深めることが重要です。
それぞれ、具体的に解説します。
2-2-1.工事内容の単価相場
項目 | 単位 | 単価相場 |
---|---|---|
既存屋根材の撤去 | ㎡ | ¥1500~¥2500 |
下地の補修 | ㎡ | ¥1500~¥2500 |
防水シート | ㎡ | ¥500~¥800 |
新しい屋根材 | ㎡ | ¥5000~¥7000 |
その他の工事(雨樋の交換など) | 式 | 内容によって変化 |
足場 | ㎡ | ¥500~¥1500 |
管理費・諸経費・撤去費 | 式 | 工事費用の8〜10% |
屋根の葺き替え工事は、ガルバリウム鋼板などの「新しい屋根材」の項目が工事費用全体の大きな割合を占めます。
そのため、屋根の葺き替え工事の見積もり書を確認する際は、葺き替える屋根材の施工単価が適正価格で見積もられているかを必ず確認するようにしましょう。
2-2-2.屋根材の単価相場
屋根材の種類 | 単価 | 単価相場 |
---|---|---|
ガルバリウム鋼板 | ㎡ | ¥6,000~¥9,000 |
スレート瓦 | ㎡ | ¥4,500~¥8,000 |
日本瓦 | ㎡ | ¥8,000~¥10,000 |
現在、施工単価(導入コスト)が安価で、耐用年数(耐久性)が長い、費用対効果の高い屋根材として、ガルバリウム鋼板に葺き替えるのが主流です。
日本瓦の住宅はガルバリウム鋼板に葺き替えることで屋根の軽量化が図れ、住宅の耐震性能が向上するため、耐震リフォームとして葺き替え事例が多いです。
また、スレート瓦やトタン屋根は、既存の屋根材を撤去しないカバー工法(重ね葺き)で施工ができるため、ガルバリウム鋼板への葺き替えが主流です。
2-2-3.屋根葺き替え工事の参考見積もり
「施工面積」と「工事内容」「屋根材」の単価相場が分かったら実際に見積もりを作ってみることで概算費用が分かります。
業者も同じように見積もり価格を作成しているので、屋根の広さに応じた概算見積もりを作成することができます。
具体的に、30坪の住宅の葺き替え事例で概算見積書を作成したので参考までに確認してみてください。
項目 | 数量 | 単位 | 単価 | 小計 |
---|---|---|---|---|
既存屋根材の撤去 | 64 | ㎡ | 2000 | 128000 |
下地の補修 | 64 | ㎡ | 2000 | 128000 |
防水シート | 64 | ㎡ | 600 | 38400 |
新しい屋根材 | 64 | ㎡ | 6000 | 384000 |
その他の工事(雨樋の交換など) | 0 | 式 | 0 | 0 |
足場 | 180 | ㎡ | 900 | 162000 |
管理費・諸経費・撤去費 | 1 | 式(工事費用の10%) | 136786 | 136786 |
小計 | 977186 | |||
消費税(8%) | 78174 | |||
合計 | 1055360 | |||
※建坪30坪(屋根面積118㎡)の住宅を基準に算出 ※屋根材はガルバリウム鋼板を使用 |
3.屋根の葺き替え工事の費用を安くするポイント
屋根の葺き替え工事は同じ内容の工事であっても、工事を依頼する業者の種類によって提案内容や施工単価が異なるために費用にバラツキがあります。
そのため、屋根を葺き替える際は、施工の品質を維持したまま、費用を安く抑える必要があります。
そこで、ここからは屋根の葺き替え工事の費用を安くする方法について具体的に解説します。
3-1.自社施工業者に工事を依頼する
屋根の葺き替え工事の費用を安くする最大の秘訣は、「安く施工できる業者に工事を依頼する」ことです。そのため、自社直接の業者に工事を依頼することが大前提になります。
そもそも、屋根の葺き替え工事が業者によって価格差が生じる原因は、工事とは関係の無い間接費用(中間マージン)が発生するからです。
訪問販売のような営業会社や大手リフォーム会社の屋根の葺き替え工事が高額な理由として、工事費用の他に、TVコマーシャルのような”広告宣伝費”や、実際の工事を下請けに委託する際に間接費用(中間マージン)が発生します。
この間接費用が工事費用に上乗せされるために、同じ葺き替え工事であっても業者によって価格差が生じるのです。
そのため、できるだけ間接費用が発生しない、自社直接施工の業者に葺き替え工事を依頼することで、適正価格で工事を行うことができます。
3-2.複数の業者で相見積もりを行う
屋根の葺き替え工事は100万円を超える高額な工事です。そのため、複数の業者で相見積もりをすることで、葺き替え工事の最安値が分かります。
そのため、屋根の葺き替え工事を安くするために、1社だけの見積もりで決断せずに、2〜3社ほど相見積もりを行うようにしましょう。
3-3.費用対効果の高い屋根材を選択する
耐用年数の高い屋根材を選ぶと将来のメンテナンスコストを削減することができます。
導入コストの安いスレート瓦は10年に1度を目安に屋根塗装が必要で、耐用年数を迎える25年〜30年の間に2〜3回の屋根塗装が必要です。
一方で、ガルバリウム鋼板はスレート瓦よりも施工単価は高額ですが、再塗装の必要が無くメンテナンス費用が発生しません。
このように費用対効果の高い屋根材を選択することで、長期的なメンテナンスコストを削減することができるので長期的な観点から捉えると費用を削減することができます。
まとめ
いかがでしたか?屋根の葺き替え工事の相場価格についてご理解いただけたかと思います。
屋根の葺き替え工事を適正価格で行うために、相場価格を理解して業者を選ぶことが重要です。
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