「瓦屋根を葺き替えたいけど、今と同じ屋根材が良いの?」「葺き替える屋根材によって費用は変わるの?」そう疑問に感じて瓦の葺き替えについて調べていませんか?
日本瓦からガルバリム鋼板への葺き替えは屋根全体が1/3ほど軽量になるために地震対策の一環で葺き替える人が多い葺き替え事例です。
このように瓦屋根の葺き替えはガルバリム鋼板のように、葺き替える屋根材によって特徴が違います。
この記事では、瓦の葺き替えで後悔しないための基礎知識について解説します。葺き替える屋根材別の特徴から費用相場まで具体的に解説します。
これから瓦の葺き替えを検討している方は是非、参考してください。
目次
1.瓦葺き替えの種類と費用相場
瓦の葺き替え事例として多いのが、日本瓦から金属屋根のガルバリウム鋼板に葺き替えるケースです。日本瓦からガルバリム鋼板に葺き替えることで、屋根の総重量が1/3になり住宅全体の耐震性が向上します。
その他に、瓦の葺き替え事例として”日本瓦から日本瓦”、”日本瓦からスレート瓦”など瓦の葺き替えはには3つのパターンがあります。
瓦の葺き替えの全体像を理解するために、瓦の葺き替え事例で多い3つのパターンの費用相場と特徴について見ていきましょう。
1-1.瓦葺き替えの種類別の費用相場
まず瓦葺き替えの相場感を理解するために平均的な30坪の住宅の場合の費用相場について表にまとめました。
屋根材 | 屋根面積 | 合計費用 |
---|---|---|
日本瓦→日本瓦 | 60㎡ | 120万円〜130万円 |
日本瓦→スレート瓦 | 60㎡ | 100万円〜110万円 |
日本瓦→ガルバリウム鋼板 | 60㎡ | 120万円〜130万円 |
※平均的な30坪の住宅を基準に換算 ※屋根形状は寄棟屋根 |
葺き替えられる屋根材によって価格が変動しますが、日本瓦から「日本瓦」「スレート瓦」「ガルバリウム鋼板」に葺き替えられる場合、100万円〜130万円が相場になります。
1-2.瓦葺き替えの種類別のコストパフォーマンス
瓦を葺き替える際にもう一つ重要な指標として屋根材の耐用年数を知っておく必要があります。
例えばスレート瓦は葺き替えの費用は安いですが、耐用年数20年〜25年と寿命が短く、屋根塗装などのメンテナンス費用が発生します。
一方で、日本瓦は「屋根が重くなる」というデメリットがありますが耐用年数が50年〜100年と非常に長く、メンテナンスの必要がありません。
このように瓦の葺き替えは施工費用だけではなく、耐用年数と将来的なメンテナンス費用も含めて比較をすることが重要です。
施工費用と将来的なメンテナンス費用を含めた屋根材の別のコストパフォーマンスを下記の表にまとめたので是非、参考にしてください。
屋根材 | 耐用年数 | 葺き替え費用 | メンテナンス費用 | 1年あたりの施工単価 |
---|---|---|---|---|
日本瓦→日本瓦 | 50年~100年 | 120万円〜130万円 | 30万円〜54万円(漆喰補修3回分) | ¥30,000 |
日本瓦→スレート瓦 | 20年~25年 | 100万円〜110万円 | 60万円〜80万円(屋根塗装2回分) | ¥80,000 |
日本瓦→ガルバリウム鋼板 | 30年~50年 | 120万円〜130万円 | 40万円〜60万円(屋根塗装1回分) | ¥53,333 |
※平均的な30坪の住宅を基準に換算 ※屋根形状は寄棟屋根 ※メンテナンス費用は屋根塗装2回分で計算 |
「ガルバリウム鋼板は和風住宅には似合わない」と美観を気にする方もいますが、ガルバリウム鋼板は”瓦タイプ”の商品もあり和風住宅の美観性を保存したまま住宅の耐震性能を向上させることが可能です。
実際に瓦を葺き替える際は、耐震性能を考慮してガルバリウム鋼板に葺き替えることをオススメします。
1-3.瓦葺き替えの屋根材別の特徴
1-3-1.日本瓦
出典:ONE PROJECT
メリット
耐用年数が長い
日本瓦の耐用年数は50年〜100年と非常に長期的です。また、釉薬(うわぐすり)をかけた日本瓦は表面が陶器のようにガラス質になっているので防水性に優れています。
強度が強い
日本瓦は粘土を高温で焼き上げ、ずっしりとした重みのある屋根材です。スレート瓦やガルバリウム鋼板と比べて強度が強く、多少の衝撃で割ることはありません。
和風住宅に合う
日本瓦は歴史が長く神社などの文化財でも使用される日本を代表する屋根材です。和風住宅にマッチします。
デメリット
葺き替え費用が高い
瓦は屋根材の中でも施工単価の高い屋根材になります。スレート瓦、ガルバリウム鋼板よりも施工単価が高く葺き替え費用も1.1〜1.2倍ほど高額になります。
漆喰はメンテナンスが必要
瓦自体はメンテナンスフリーの屋根材ですが、棟瓦の土台となる漆喰部分は劣化するのでメンテナンスが必要になります。10年に1度を目安に点検を行い、20年に1回を目安に漆喰の補修が必要です。
耐震性が低い
日本瓦の重さは、1㎡あたり約42kgでガルバリウム鋼板の8倍の重さになります。住宅の上部が重心になるので耐震性は低いです。
1-3-2.スレート瓦
出典:ルーフワークス
メリット
葺き替え費用が安い
ガルバリウム鋼板や日本瓦と比べて施工単価が安く、葺き替え費用が安いのが特徴です。とにかく葺き替えの費用を節約したい方にはオススメです。
色合いが豊富
日本瓦は数色ほどしか色を選ぶことができませんが、スレート瓦は最大24色から選ぶことができます。外壁材の色を変えた際などにオススメです。
耐震性が高い
スレート瓦の重さは1坪あたり約18kgで日本瓦の1/3ほどの軽さです。ガルバリウム鋼板よりは重いですが耐震性が向上します。
デメリット
メンテナンスが必要
スレート瓦は塗料によって防水性能を発揮しているために10年〜15年を目安に屋根塗装が必要です。トータルに的にコストパフォーマンスが低くなるのがデメリットです。
強度が低い
瓦の厚みが5mm程しかなく、野球ボール程度の衝撃で割れることがあります。10年を目安に定期点検が必要になります。
耐用年数が短い
スレート瓦の耐用年数は20年〜25年と他の屋根材と比べると短期です。定期的に塗装などのメンテナンスを行えば耐用年数どおりのパフォーマンスを発揮しますが、メンテナンスを怠ると極端に耐用年数が短くなります。
1-3-3.ガルバリウム鋼板
メリット
耐久性が高い
金属の屋根材ですが、サビに強いのがガルバリム鋼板の特徴です。メンテナンスフリーの屋根材と言われていますが、白サビが発生するので30年くらいを目安に屋根塗装が必要です。しかし、スレート瓦よりもはるかに耐食性や耐候性に優れているためにメンテナンスの機会は少なります。
デザイン・色合いが豊富
ガルバリム鋼板は板形状のもが基本ですが、日本瓦(和瓦)風の商品もあります。和風住宅の景観を崩すことなくガルバリウム鋼板を導入することができます。色も豊富で外壁材の色に合わせてマッチする色を選ぶことができます。
コストパフォーマンスが良い
ガルバリウム鋼板は日本瓦と比べて施工費用が安く、スレート瓦と比べて耐用年数やメンテナンスコストが安いことからコストパフォーマンスが高いのが特徴です。
耐震性が高い
日本瓦が1㎡あたり約42kgガルバリム鋼板の重さは1㎡当たり5.7kgと他の屋根材と比べて非常に軽量です。
日本瓦からガルバリウム鋼板に葺き替えると約2トンほど軽量化を実現できます。
住宅の重心が低くなるので住宅全体の耐震性能が向上します。
デメリット
強度が低い
ガルバリウム鋼板は基本的には金属の板です。台風の際に飛来物がぶつかったりするとすぐに凹んでしまいます。また傷もつきやすいので10年を目安に点検を行うと安心です。
2.瓦の葺き替えが必要な劣化症状
瓦の葺き替えを検討する前に、瓦の葺き替えの必要性を検討することが重要です。
特に突然訪問してきたリフォーム会社の営業マンに「瓦が浮いてますよ」「葺き替えが必要ですよ」と言われた場合はしっかりと原因を追求した上で葺き替えを検討するようにしましょう。
まずは瓦屋根の”劣化症状”から屋根の葺き替え工事の必要性について考えてみましょう。
瓦の葺き替えには「葺き直し」という方法もあります。葺き直しとは既存の瓦を撤去せずに再利用する方法です。
葺き替えと比べて屋根材費用を節約できるので、施工費用を節約したい方は”葺き直し”も検討するようにしましょう。
ただし、劣化症状によっては”葺き直し”ができない場合もあるので現地調査をしっかりと行い専門家のアドバイスをもとに最適な施工方法を検討しましょう。
2-1.瓦が欠けたり割れたりしている
出典:米倉商店
瓦が欠けていたり、割れている場合、原因によっては屋根の葺き替えが必要になります。
そもそも、瓦が割れる原因は台風などの際に瓦に飛来物が直撃するなどの外的要因によるものと、瓦を止めている釘が錆びて膨張し瓦を圧迫して割れてしまうケースの2つの原因があります。
この中で、釘の錆びが原因で瓦が割れてしまっている場合、その他にも釘が錆びている可能性が高く、瓦が割れるのも時間の問題なので瓦の葺き替えが必要です。
実際に目視で確認して、瓦が割れていた場合は専門業者に点検を依頼してしっかりと原因を究明した上で、瓦の葺き替えを検討することが重要です。
2-2.全体的に瓦がずれている
出典:瓦善
瓦がズレている場合は原因によっては瓦の葺き替えが必要です。
瓦がズレてしまう原因として多いのが、地震や強風などの自然災害によるものが圧倒的に多いですが、このような場合は瓦の差し替え(交換)などの部分補修で修理を行うことができます。
一方で、「土葺き(どぶき)工法」と呼ばれる土(粘土)で瓦を固定する工法の瓦屋根は、経年劣化と共に、瓦を固定する力が低下します。
そうすると、瓦が固定されずに屋根に乗っているだけの状態になるために瓦がズレてしまいます。
他の箇所も同様に、瓦を固定する力が低下しているので屋根の葺き替えが必要になります。
2-3.屋根が歪んでいたり、波打っている
出典:翔飛工業
屋根が歪んだり波打っている場合は、瓦の葺き替えを行い屋根の下地から修理が必要です。
瓦が不規則になって歪んでしまう原因は、瓦を支える下地である野地板が歪んで落ち込んでしまっていることが原因です。
これは不陸(ふりく)と呼ばれる状態で屋根が平らでなくなっている状態であり、瓦を支える下地である野地板の交換を含め葺き替えが必要です。
柱に負荷がかかっている状態で耐震性能を発揮することができないので早急に屋根を修理する必要があります。
2-4.軒天が浮いたり、雨染みがある
出典:COCO工房ブログ
水は低い方向に流れます。そのために、軒先は屋根の最も低い位置にあるために雨水が集中しやすい箇所になります。
その中で、軒天が浮いていたり雨染みがある場合、雨漏り発生している可能性があります。軒天の雨漏りは様々な原因が考えられますが、上記に挙げた「瓦の割れ」や「瓦のズレ」も考えられます。
そのために、軒天が浮いていたり、雨染みがある場合は専門業者に点検してもらい、しっかりと原因を究明することが重要です。
2-5.天井や壁に雨染みができている
出典:Do!のリフォーム
天井や壁に雨染みができている場合は、雨漏りが発生している可能性が高いです。
雨漏りの原因は様々な原因がありますが、上記に挙げた”瓦の割れ”や”瓦のズレ”、漆喰の剥がれなど瓦の葺き替えが必要な劣化も含まれます。
そのために、天井や壁に雨染みを見つけたら屋根の専門業者に点検を依頼して原因を究明することが重要です。
3.瓦葺き替え業者の選び方
瓦葺き替えの適正業者は屋根瓦業者が最適です。
屋根瓦業者とは瓦屋根の修理や葺き替えを専門に行う業者で「◯◯瓦店」や「◯◯瓦」という屋号がついている業者です。
屋根瓦業者の選び方について具体的に解説します。
3-1.屋根修理の一括見積もりサイトを利用する
屋根瓦専門業者は屋根修理の一括見積もりサイトを利用すると簡単に見つかります。
屋根修理の一括見積もりサイトとは、地域密着の屋根業者を紹介してくれるサービスですが自分で業者を探す手間が省け、瓦葺き替えに実績のある業者を紹介してくれるのでミスマッチを回避することができます。
弊社が運営する”イーヤネットは”過去の施工実績を審査基準に設け、屋根リフォームの優良業者だけが加盟を継続できる仕組みを設けているので安心です。
また、最大5社を比較することが可能で業者へのお断りも代行してくれるので適正価格で瓦の葺き替え工事を行うことができます。
瓦の葺き替え業者を探す際は是非、イーヤネットをご利用ください。
3-2.自社施工の業者を選ぶ
瓦の葺き替えだけに限らず、リフォーム全般は自社直接施工の業者に工事を依頼するのが鉄則です。
自社直接施工とは、実際の工事を下請けに依頼せずに自社で完結できる業者を指します。基本的にリフォーム業者は「仕事を取る」営業会社と、「施工をする」施工会社の2つに分類されます。
営業会社はお客様の窓口としてリフォームの提案などを行いますが、実際の工事は下請けである施工会社に委託します。下請けへの中間マージンが発生するために費用が高額になります。
一方で施工業者の場合は自社で工事を行うことができ、中間マージンが発生しないために適正価格で工事を行うことができます。
このように瓦葺き替えも自社直接施工の業者を選ぶと適正価格で高品質な工事を実現することができます。
まとめ
いかがでしたか。瓦葺き替えについてご理解いただけたかと思います。
本文中でもお伝えしましたが、瓦の葺き替え費用は屋根材によって変動します。
その他に、耐用年数によってコストパフォーマンスも異なるので屋根材の特徴と費用を比較しながら後悔のないように葺き替える屋根材を選ぶようにしましょう。
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