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モニエル瓦の塗装で施工不良を避ける2つの注意点と適正業者の選び方

モニエル瓦

「モニエル瓦の塗装って普通の屋根塗装と何が違うの?」そう疑問に感じてモニエル瓦の塗装について調べていませんか?

モニエル瓦は一般的なスレート瓦やコロニアルと比べて、塗装方法が特殊で塗装後の不具合が発生しやすい屋根材になります。

そのために、モニエル瓦の塗装に対応できない業者も多く、屋根塗装ではなく、葺き替えを提案する業者も少なくはありません。

しかし、モニエル瓦は施工方法に気をつければ、屋根塗装によるメンテナンスで十分対応することができます

そこで、この記事ではモニエル瓦のメンテナンスで無駄な工事費用を発生させないために、モニエル瓦の屋根塗装について解説します。

モニエル瓦を屋根塗装する際の費用相場や塗料の選び方、優良業者の選び方についても具体的に解説するので是非、参考にしてくださいね。

1.モニエル瓦の塗装の必要性

モニエル瓦は1973年から日本で発売されていた瓦で、別名「乾式コンクリート瓦」と呼ばれ塗料によって防水処理がされています。

モニエル瓦はコンクリートのために素材事態に防水性はありません。そのために、防水性能を回復させるために10年~15年を目安に屋根塗装が必要です。

ただし、モニエル瓦は一般的な屋根材であるスレート瓦やコロニアルと異なり、「スラリー層」という”着色料”が塗られており、このスラーリー層を徹底的に除去をしてから塗装をする必要があります

出典:ペイントシティーコム

上記の画像はモニエル瓦の断面図になりますが、モニエル瓦のスラリー層は非常に脆弱で、指で擦っただけでもボロボロと粉状に吹き出します。

モニエル瓦の剥がれ

出典:本田塗装

上記の画像はモニエル瓦のスラリー層の塗装前の状態ですが、このようなスラリー層の上に塗料を塗っても塗料が密着せずにすぐに塗装が剥がれてしまいます。

そのために、モニエル瓦の塗装は高圧洗浄でスラリー層を徹底的に除去した上で、塗装を行う必要があります。モニエル瓦は高圧洗浄の工程が増えるために、1.2倍~1.5倍ほど割高になります。

このようにモニエル瓦は防水性能を回復させるために塗装が必要であり、塗装の際は高圧洗浄によるスラリー層の除去が特に重要になります。

【スラリー層を除去しても屋根の性能に差はあるの?】

また、モニエル瓦のスラリー層は「着色料」に過ぎないので再度、スラリー層を形成させる必要はなく、スラリー層を撤去しても屋根材の性能に影響はありません。また、屋根の色は上塗り塗料によって着色されるので、スラリー層を除去しても屋根の配色やデザインに影響はありません。

1-1.モニエル瓦の塗装の注意点

冒頭でもお伝えしましたが、モニエル瓦はスレートやコロニアルなどの屋根材と異なり、スラリー層を除去した上で塗装を行う必要があります。

そのために、通常の屋根塗装と異なり、「スラリー層の除去方法」や「モニエル瓦専用の塗料」について理解しておくことが重要です。

冒頭でもスラリー層に関して説明しましたが、さらに掘り下げてモニエル瓦の塗装に関する注意点について見て行きましょう。

1-1-1.見積書でスラリー層の除去方法を確認する

モニエル瓦のスラリー層の処理方法は、高圧洗浄を入念に行った後に、スラリー層を硬化させる専用の下塗り材を塗装します。このスラリー層の処理の方法をスラリー強化工法と言います。

実際にモニエル瓦を塗装する際は、スラリー層の処理方法を確認することが重要です。特に、高圧洗浄の費用と下塗り(プライマー)の種類を確認するようにしましょう。

それでは、具体的にスラリー強化工法で使用される”下塗り材”と”塗料”について見て行きましょう。

1-1-2モニエル瓦の塗装は専用の塗料を使用する

スラリー洋瓦シーラー【水谷ペイント】

スラリー洋瓦シーラー【水谷ペイント】

出典:【水谷ペイント】スラリー用瓦シーラー

モニエル瓦のスラリー層に浸透し、硬化させることで塗装の下地を整えるモニエル瓦専用の下塗り塗料になります。

スラリー層を硬化させることで、施工後の塗料の剥離のリスクを低減できるので、見積もり段階で確認することが重要です。

マイティーシリコン【オリエンタル塗料工業株式会社】

マイティーシリコン【オリエンタル塗料工業株式会社】

出典:【オリエンタル塗料工業】マイティーシリコン

マイティーシリコンはモニエル瓦専用の上塗り塗料になります。下地材(下塗り)を必要としないシラーレスの塗料ではありますが、実際に塗装する際はスラリー層を除去するようにしましょう。

また、専用のトップコート材(上塗りのコーティング材)と合わせて使用することで、15年~20年の耐久性が得られます。

マイティーシリコンのトップートは下記のカタログを参照ください。

タグロスコート

1-2.モニエル瓦の劣化症状

一般的にモニエル瓦自体の耐用年数は40年と言われていますが、屋根の防水塗装に関しては一般的に10年~15年と言われています。

屋根の現状を把握して屋根塗装のタイミングを正しく見極めるために、モニエル瓦で発生する劣化症状とメンテナンス方法について解説します。

1-2-1.ひび割れ・滑落

モニエル瓦のひび割れ

出典:レアテック株式会社

メンテナンス方法
  • 防水テープによる補修
  • 接着パテによる補修
  • 新しい瓦との交換

1-2-2.瓦のズレ

モニエル瓦のズレ

出典:昌栄組屋根工事 有限会社

メンテナンス方法
  • 既存瓦のはめ直し
  • 屋根葺直し
  • 屋根葺き替え

1-2-3.塗膜剥離・チョーキング

モニエル瓦のチョーキング現象

出典:株式会社オムラ

メンテナンス方法
  • 漆喰詰め直し
  • 棟取り直し
  • 根葺き替え

1-2-4.防水シート(ルーフィング)の劣化

モニエル瓦のルーフィングの劣化

出典:秀和コーポレーション株式会社

メンテナンス方法
  • 防水シートの一部張替え
  • 防水シート全張替え

【モニエル瓦とセメント瓦の違い】

モニエル瓦とセメント瓦は形状が似ており、プロでもパッと見では見分けることが困難です。メニエル瓦とセメント瓦では耐久性も塗装方法も異なります。そのために、モニエル瓦とセメント瓦の違いについて見ていきましょう。

モニエル瓦とセメント瓦の違い

出典:水谷ペイント株式会社

モニエル瓦とセメント瓦の違いは2点あります。まず、瓦表面の凹凸が大きいのがモニエル瓦です。また、瓦の小口がザラザラしている方がモニエル瓦で、表面が滑らかな方がセメント瓦です。

その他に、チョーキングの現象(塗料が粉状に吹き出す劣化症状)の際に、スラリー層がボロボロと剥がれる方がモニエル瓦で、塗料の粉が手に付着する方がセメント瓦になります。

3.モニエル瓦の塗装費用

塗料の種類 参考価格(30坪/60㎡)
マイティーシリコン(モニエル瓦専用塗料) ¥449,400
ウレタン塗料 ¥446,100
シリコン塗料 ¥465,900
フッ素塗料 ¥505,500
下塗りを2回行った場合の参考価格になります。

モニエル瓦はスラリー層を除去するために、高圧洗浄の費用が割高になります。また、瓦の状態によっては下塗りを2回行うために、塗装費用も割高になるケースがあります。

一般的な高圧洗浄の単価は1㎡当たり200円~250円が相場ですが、モニエル瓦の場合は300円~350円ほどが相場になります。

また、下塗りを2回行った場合、通常の屋根塗装よりも5万~6万円ほど高額になります。

そのために、見積書を確認する際は高圧洗浄の費用と、下塗りの費用の2つの項目を重点的に確認するようにしましょう。

4.モニエル瓦の塗装工程

モニエル瓦の屋根塗装で重要な工程が2つあります。それでは、高圧洗浄と下塗りです。

施工不良を未然に防ぐためにも、施主が塗装工程を把握しておくことは非常に重要です。

ここからは、モニエル瓦の具体的な塗装工程について見て行きましょう。

【工程1】高圧洗浄

出典:Youtube

高圧洗浄で屋根の表面の汚れと、スラリー層を除去します。

通常の屋根塗装の場合は、カビやコケなどの”汚れ”を除去するために行います。モニエル瓦の高圧洗浄は「スラリー層」を除去する必要があるために、通常の高圧洗浄よりも入念に高圧洗浄を行います。

モニエル瓦の高圧洗浄はスラリー層が飛び散るために足場の飛散防止ネットの設置を怠らずに、近隣に洗浄水が飛散しないように配慮をするようにしましょう。

【工程2】下塗り(1回目)

 

出典:Youtube

高圧洗浄を徹底しても、スラリー層の全てを除去するのは難しいのが現状です。そのために、スラリー層を硬化させる、モニエル瓦専用の下塗り材を使用します。

【工程3】下塗り(2回目)

瓦の状態にもよりますが、スラリー層が塗料に影響を及ぼさないように下地強化材の重ね塗りを行います。手順としては下塗り1回目と同じです。

【工程4】上塗り(1回目)

出典:Youtube

スラリー層を固める”下塗り”が完了したら、上塗り塗料を塗装します。

【工程5】上塗り(2回目)

2回の重ね塗りを行ったら完成です。

5.モニエル瓦の塗装の業者の選び方

モニエル瓦の塗装は現地調査を行った業者によって提案内容が分かれることがあります。

「モニエル瓦は塗装をしてもすぐに剥がれるので、屋根を葺き替えましょう!」「モニエル瓦は下地処理に気をつければ十分塗装できます」というように業者によって意見が分かれます。

その中で、「どっちの提案が正しいの?」と迷われる方も少なくありません。

結論からお伝えすると、モニエル瓦の塗装は塗装専門業者に依頼するべきです。

モニエル瓦はスラリー層の除去を徹底する必要があり、モニエル瓦の塗装に抵抗のある業者も多く存在しています。

しかし、塗装専門業者であればスラリー層の除去方法から、塗料の選び方までモニエル瓦の塗装のノウハウを確立している業者も多く、十分に対応することができます。

そこで、ここからはモニエル瓦の塗装を依頼する際の塗装専門業者の選び方について解説します。

5-1.ホームページの施工実績を確認する

塗装業者のホームページの施工実績を見て、モニエル瓦の塗装実績があるかどうを確認するようにしましょう。過去に施工実績があれば、モニエル瓦の現状を踏まえた上で適切な提案をしてくれる可能性が高いです。

5-2.保有資格を確認する

一級塗装技能士や建築士などの業者の保有資格について確認しましょう。

特に、一級塗装技能士は塗装の国家資格であり、一定の技術水準を満たしている証明となるので、モニエル瓦のメンテナンス方法について的確なアドバイスをもらえる可能性が高いです。

5-3.一括見積もりサイトを利用する

一括見積もりサイトは、塗装業者を紹介してくれるサービスですが、モニエル瓦の塗装に実績のある業者を紹介してくれます。

外壁塗装の一括見積もりサイトの利用を検討している方は、弊社が運営する”いえぬり”を是非ご利用ください。リフォームに関する資格保有者が、モニエル瓦に対応できる優良業者をご紹介いたします。

いえぬり

まとめ

いかがでしたか?モニエル瓦の塗装についてご理解いただけたかと思います。

本文中でもお伝えしましたが、モニエル瓦の塗装はスラリー層を徹底的に除去することが重要です。

そのために、モニエル瓦の塗装の際は、実績のある優良業者に工事を依頼することが、施工不良を起こさない方法です。

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