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外壁塗装の塗料選びで100万円の損をしないための全知識【計8種類】

外壁塗料を決めるとき、まず先に思い浮かべるのは「塗料の色」だと思います。しかし、実際に塗料のことを決める際に、色のことは二の次、または三の次になってしまうことはご存知でしょうか?

外壁塗料を選ぶときに、最初に決めなければならないのは塗料の「質」です。塗料にはいくつかの種類があり、その中でも性能や特徴が異なる以下の8種類があります。また、生活スタイルによっても向き不向きがあり、選び方に失敗してしまうと「無駄な工事」に繋がり、最悪の場合100万円前後の損を負担してしまう恐れがあるのです。こうしたことから外壁塗料はきちんとした知識を得て選ぶことが、工事を成功させる鍵になります。

この記事では、塗料についての詳細を解説し「無駄にならない塗料の選び方」をご紹介していきたいと思います。

1.塗料の種類

塗料ごとの耐久性は以下の通りです。現在主流している外壁塗料の質を表を通してご紹介します。

塗料の成分はどれも合成樹脂で出来ていて、塗料によって耐久性が異なるのは、合成樹脂に含まれる物質によって特徴が変わるためです。

ほとんどの塗料は質が高いものほど単価が高くなりますが、その分性能や機能面が優れています。もちろん、質が高い塗料の方が劣化しにくく、次回の塗替え時期が長くなります。短期スパンで塗り替えを行いたい方は費用を重視して選ぶのがいいでしょう。逆に、塗替え回数を減らしたいと思う方は、耐用年数を重視して選びましょう。

記載されています金額は塗料の単価を表していますが、通常外壁塗装は3回塗りが基本で、この金額は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りの単価金額になります。

1-1.樹脂塗料の人気ランキング

1位 シリコン系塗料
2位 ラジカル系塗料
3位 フッ素系塗料
4位 ウレタン系塗料
5位 アクリル系塗料

こちらのランキングは、普及率・費用・性能・耐用年数を、自社での工事事例に基づいて評価した結果となっています。では、順を追って塗料の詳細を見ていきましょう。

1位:シリコン系塗料
特徴

近年最も使用されている塗料で、値段と性能が一番バランスの良い塗料なのが特徴です。価格の安定・耐用年数の長さ・尚且つ性能も良いため、一般住宅での取り入れの良さが人気の秘密となっています。他の塗料よりも艶が出るため、光沢のある外壁が長期間続きます。

消費者が求める「安くて質の高い塗料がいい」という希望を叶える塗料、そして普及率が高いために、実績や施工例が豊富にあることから安心して使える塗料となります。

メリット

・コスト・性能・耐用年数などトータルで見て最も取り入れやすい

・塗り替え住宅の7割~8割を占める普及率で実績も充実

デメリット

・付着性が低いため、丁寧な下塗り作業が必要

・中でも溶剤型は工事時のニオイが強い

こんな住宅におすすめ

・費用と性能のバランスを重視する人

・高品質かつ低価格の塗料を求める人

・実績や施工例が豊富に合って参考にしたい人

相場費用 85万円~/30坪の場合
代表的な商品メーカー

・水性シリコンセラUV:日本ペイント株式会社

・ファインシリコンフレッシュ:日本ペイント株式会社

・クリーンマイルドシリコン:エスケー化研株式会社

・セラMシリコン2:関西ペイント株式会社

2位:ラジカル系塗料
特徴

ラジカル塗料は2012念い発売された最新塗料で、今までの塗料にはない特徴を持っています。汚れが付きにくい・施工性が高く扱いやすいなど様々な特徴がありますが、高性能な上に耐用年数が優れていることでも注目を集めています。また、シリコン塗料の寿命が10年なのに対し、ラジカル塗料は15年と1.5倍もの寿命を保つと言われています。

しかし、この塗料が2位である理由は「実績がない」ことが大きく関わっています。耐用年数が15年と言われていますが、発売されてまだ10年も満たないため、実際に一般住宅で15年の耐用年数が実証されたことはありません。このことから、今現在ではシリコン塗料には及ばないにしても、次世代塗料として評価が上がればこのランキング順位も変わっていくでしょう。

メリット

・最新技術を使用した近年注目度No1塗料

・コストパフォーマンスが魅力

・色褪せ・変色・チョーキングに強い

※チョーキング:外壁壁を指で擦ったときに手につく白い粉のこと。塗り替え時期の目安とも言える現象です。

デメリット

・歴史が浅いため実績が低い

・まだ種類も多くない

・取り扱ったことがない業者もいる

こんな住宅におすすめ

・新しい塗料に興味がある人

・より安価で高性能な塗料を希望している人

相場費用 95万円~/30坪の場合
代表的な商品メーカー

・エスケープレミアムシリコン:エスケー化研株式会社

・パーフェクトトップ:日本ペイント株式会社

・アレスダイナミックTOP:関西ペイント株式会社

3位:フッ素系塗料
特徴

フッ素系塗料は、樹脂塗料の中でも最高級塗料で、性能や耐久性・耐用年数などがとても優れている塗料です。当初の目的は寿命の長いビル用として開発・使用されていましたが、出来るだけ耐用年数が高い方が良いと言う人たちが一般住宅で使用するようになったことがきっかけで浸透するようになりました。

耐久性・耐候性や防汚染性能などほとんどの高機能を兼ね備えている塗料ですが、価格の面でのデメリットがあるため普及率はシリコン塗料を下回ります。

メリット

・耐久性が長いので、長期的に見ると安い

・一般的な塗料の中で最も耐久性が高い

・高級感のある仕上がりを実現

デメリット

・コストが高い

・塗膜が硬いためひび割れがしやすい

※塗膜:塗料を塗って乾燥後に硬化した状態のこと

こんな住宅におすすめ

・高級感のある美観にこだわりのある人

・初期費用よりも長期費用を重視する人

相場費用 115万円~/30坪の場合
代表的な商品メーカー

・ファイン4Fセラミック:日本ペイント株式会社

・クリーンマイルドフッソ:エスケー化研株式会社

・ルミステージ:AGGコーテック株式会社

4位:ウレタン系塗料
特徴 ウレタン塗料は、少し前まではとてもよく使用されていて、シリコン塗料が発売される前までの普及率はとても高かったです。施工する際も、塗りやすく、色や艶などの発色もいいため扱いやすい塗料とされていますが、シリコン塗料よりも耐久性が劣るため、使用される頻度が減りました。しかし、樹脂が柔らかく密着しやすいというメリットから現在は、外壁塗装の全般で使用されるよりも、部分塗りなどによく使用されている塗料です。
メリット

・樹脂が柔らかいから密着度が高い

・使用可能箇所を選ばない万能塗料

・小さな範囲の補修などに使用できる

・カラーバリエーションや種類が多い

デメリット

・シリコン塗料に比べて耐久年数が短い

・紫外線に弱く変色しやすい

こんな住宅におすすめ

・耐用年数よりもコストを重視ししたい人

・カラー選びを重視したい人

相場費用 70万円~/30坪の場合
代表的な商品メーカー

・アレスアクアレタン:関西ペイント株式会社

・ピニロックウレタン:ロックペイント

・水性ファイウレタン:日本ペイント株式会社

5位:アクリル系塗料
特徴 アクリル塗料の歴史は長く、その分知名度は高いですが、最近ではあまり使用されない塗料となっています。と言うのも、外壁塗料の中で最も質の低い塗料となり、低価格に関しては他の塗料よりも上回りますが、性能や機能面などに関してはとても良いとは言えません。しかし、価格的には塗料の中では最も安いため、こまめに塗り替えを希望している人には向いている塗料になります。
メリット

・外壁塗料の中で最も価格が低い

・取り扱いしやすい塗料のため施工性に優れている

デメリット

・耐用年数・耐久性が共に低い

・劣化しやすい、または劣化が早い

・近年ではほとんど使用されていない

こんな住宅におすすめ

・性能よりも価格を重視

・短期間で塗り替えをする人

相場費用 60万円~/30坪の場合
代表的な商品メーカー

・ケンエース:日本ペイント株式会社

※現在でも付帯部にのみ使用されている塗料です。

1-2.おすすめする特殊塗料

⑴ 遮熱塗料

⑵ 光触媒塗料

⑶ 無機塗料

特殊塗料とは、その名の通り通常塗料に特殊な効力を備え付けた塗料のことをいいます。今回は一般住宅でよく使用される特殊塗料をご紹介していきたいと思います。

遮熱塗料
特徴 遮熱塗料はエコ意識が高くなるにつれて普及率も増えてきた塗料になります。種類も様々で、外壁用の物、屋根用の物、床用に特化した物などがありますが、屋根に用いられることが最も多いです。
メリット

・太陽熱を反射させ住宅の温度を低減させる

・光熱費を削減

・特に屋根塗装に使用すると体感がアップ

デメリット

・汚れると遮熱効果が低減

・冬場は通常よりも冷える可能性がある

こんな住宅におすすめ

・住宅の色が濃い色や原色系を使用している人

・とにかく住宅の温度を低減させたい人

・光熱費を減らしたいと思う人

相場費用 95万円~/30坪の場合
代表的な商品メーカー

・サーモアイ:日本ペイント株式会社

・アレスクール1液F:関西ペイント株式会社

・GAINA(ガイナ):日新産業

光触媒塗料
特徴 光触媒塗料の最大の魅力は、光の作用で表面の汚れや空気を清浄化出来ることです。光触媒はフッ素樹脂をベースにして作られているものが多いため、フッ素樹脂塗料と同じ高機能な塗料になります。
メリット

・光触媒効果で汚れを光でクリーンに

・低汚染性能で排気ガスも分解

・空気を除荷する効果もある

デメリット

・分解性能は光に当たらないと発揮しない

・再塗装の塗り替えが大変

・施工が難しいことや認定施工店でないと使用できないことから扱いにくさがある

こんな住宅におすすめ

・周辺環境が車通りの激しい場所や工業地帯に住んでいる人

・常に美観を保っていたい人

相場費用 115万円~/30坪の場合
代表的な商品メーカー

・ハイドロテクトカラーコート:TOTOエクセラ株式会社

・ピュアコートANプラス:株式会社ピアレックステクノロジーズ

無機塗料
特徴 無機塗料は耐候性や雨水で表面の汚れを洗い流す超低汚染性能を持っている種類もあり、また耐久性も高いことから現在ある塗料の中ではNo1塗料と言えます。しかし、価格が非常に効果になるため普及率はあまり多くはありません。
メリット

・とにかく耐久性が高い

・光触媒同様、セルフクリーニング効果がある

・塗り替え頻度が短いため長期コストは安い

デメリット

・高価格商品

・光触媒同様、再塗装などの塗り替えが大変

・雨があまり降らない地域や雨が当たらない場所には意味がない

こんな住宅におすすめ

・雨が多い地域にお住まいの人

・コストよりも性能を重視する人

・低汚染効果で美観を保ちたい人

相場費用 120万円~/30坪の場合
代表的な商品メーカー

・ムキフッソ:関西ペイント株式会社

・無機ハイブリットコートJY:アステックペイント

・KFスーパーセラ:KFケミカル株式会社

2.塗料には水性と油性(溶剤)があります

上記のように塗料にはいくつもの種類があることをご紹介しましたが、その塗料の中にも何種類かに分かれています。例えば、シリコン塗料でしたら、シリコン塗料の中でも、水性塗料・油性塗料と別れ、また1液型・2液型と種類別されています。

あまり細かく説明してしまうと。専門的なお話になってしまうので、ここでは塗料選びの際に知っておいた方がいい知識のみを簡潔にご紹介していきたいと思います。

 

2-1.水性と油性(溶剤)の違い

水性と油性(溶剤)の違いを簡単に言うと、主成分が油性の場合はシンナーなどの有機溶剤で、水性の場合は水が主成分です。

通常の外壁塗装でしようするのは、耐久性の高い油性ですが、油性の場合はニオイがキツく、吸い続けると体への健康問題を引き起こすことから、最近では水性塗料に人気が集まり、塗料メーカーも水性塗料の開発に力を入れています。

2-2.水性と油性(溶剤)のメリット・デメリット

水性塗料と油性塗料のメリット・デメリットを詳しく解説いたします。

メリット デメリット
水性

・扱いやすい

・臭いがない

・乾燥が早い

・艶ありと艶なしが選べる

・価格が安い

・環境に優しい

・性能が油性に劣る

・湿気・雨に弱い

・寒さに弱いため寒すぎると施工できない

・屋根塗装には向かない

油性(溶剤)

・水性よりも性能が高い

・密着性が高い

・外壁にも屋根にも向く

・長持ちの傾向がある

・低温でも乾燥させやすい

・ニオイがキツイ

・健康被害に遭いやすい

・保管が難しい

・価格が高い

環境には良いが耐久性がよわい水性塗料と、耐久性が高いが体に良くないシンナーを含む油性塗料のどちらを使用するか悩むと思いますが、個人的には水性塗料がおすすめです。

理由としては、先ほどもご紹介したように水性塗料の性能向上を目的とし、様々な開発が進められているからです。雨に弱いと記載がありますが、最近では雨に強い商品も販売されるなど、水性塗料の性能の向上が現実化していることから、この記事では健康被害等全体で見ても油性塗料よりも水性塗料をお勧めしたいと思います。

2-3.1液型と2液型の違い

次に1液型と2液型の違いを解説いたします。

1液型の場合

一般的に塗料を使用するときは、別の材料と混ぜる必要があるなど手間がかかりますが、1液型はそういった手間が少なく使用できます。しかし、その分使用できる範囲に限りがあるため使用する場合は事前に確認が必要です。

2液型の場合

1液型と違い2液型は使用範囲に限りがなく色んな用途に対応できるため扱い易いです。しかし、1液型ではないので当然、別の材料と混合させる必要がありますので手間がかかりますし、混合した際はすぐに使用しなければなりません。

3.塗料選びで迷ったら

特に強いこだわりもなく、どこに重点を置いて選んでいけばいいのかわからない人向けに、塗料選びに悩んだ際の選び方をご紹介したいと思います。

耐久性

塗料の寿命は種類によって差があります。外壁塗料の中で耐久性が一番いいのがフッ素塗料になり、その耐用年数は15年~20年です。価格よりも耐久性重視に考えている方は、断然フッ素塗料の使用をお勧めします。逆に、耐久性よりも価格を重視する方は、耐用年数は3年~6年と低いですが外壁塗料の中で最も安いアクリル塗料の使用をお勧めします。ご自身の塗り替えサイクルで選ぶのが良いでしょう。

伸縮性・防水性

伸縮性とは名の通り塗料の伸縮性を示す言葉で、この伸縮性が高いと外壁材にひび割れ等が起こりにくくなります。これは防水性に対しても言えることで、ひび割れは住宅の天敵である「水の侵入」を招きやすい症状ですので、きちんと食い止めることが大切です。伸縮性がある塗料のことを”弾性塗料”といい、2液型のフッ素やシリコン塗料に硬化剤を入れて伸縮機能を含ませます。主にヒビが入りやすいモルタル壁での使用が適していて、サイディング壁には膨れなどの要因となるため使用には適していません。防水機能が高い=伸縮性能が高いということになりますので、防水性が高い塗料を使用したい場合は、弾性塗料を選ぶのが良いでしょう。

下記の表はよく使用される弾性塗料の商品名とメーカー名です。防水性やヒビを懸念している方はぜひ参考にしてみて下さい。

塗料名 成分 メーカー名
DANシリコンセラ シリコン樹脂 日本ペイント株式会社
EC-5000PCM ピュアアクリル樹脂 株式会社アステックペイントジャパン
セラミクリーン セラミックシリコン樹脂 エスケー化研株式会社

美観性

性能や機能にこだわるのは十分に良いことですが、せっかくのマイホームですからいつ誰が見ても「綺麗な家」だと思われたいですよね。美観を重視している方にお勧めなのは、特殊塗料である光触媒塗料です。光触媒塗料の最大の特徴である”セルフクリーニング機能”ですが、塗膜に光が当たると化学反応で塗膜に付いた汚れを自ら分解し、雨時に分解した汚れを落としてくれて、常に綺麗な外観を保つことが出来ます。また、後述ますが、塗料には艶ありと艶なしがありますので、そういった所もこだわりとして取り入れてもいいかもしれません。

光熱費を節約

賃貸からマイホームに移り住むと、光熱費が上がることに頭を悩ませる方が多いと思います。というのも、賃貸よりもマイホームの方が広くなりますから、光熱費が上がってしまうのも仕方がないと思います。そういった方にお勧めなのが、特殊塗料である遮熱塗料で、こちらは太陽光の熱を跳ね返す効果があり、外気温の影響を受けて室温が上がりすぎないようにしてくれます。正直、光熱費がグンっと下がることはありませんが、エアコンの効きが早かったり、建物の蓄熱を防ぐため、熱帯夜対策にもなります。

遮熱塗料でも効果が発揮しやすい家がありますので、自分の家に当てはまるかをチェックしてみて下さい。

屋根が金属の家

金属は熱伝導率が高いため、外気の熱を直接室内へと伝えてしまいます。特に夏になると、その影響をダイレクトに感じてしまうでしょう。そこで遮熱塗料を使用し、太陽光を反射させ、熱伝導を遮断させます。

吹き抜けがある

吹き抜け住宅はお洒落・室内が明るくなるといったメリットがある反面、エアコンが効きにくい・窓や屋根からの熱がダイレクトに伝わってしまうなどのデメリットがあります。遮熱塗料を使用すれば、温度の上昇を抑えることが出来るでしょう。

リビングが2階にある、または3階建て住宅

最近では土地の問題や二世帯住宅・日当たりの問題から3階住宅やリビングが2階にある住宅が増えてきました。リビングは人が集まりやすい場所であり、日の入りが1階よりもいいため気温が上昇しまう。こう言った住宅にも遮熱塗料がおすすめです。

それでも迷ったら【シリコン塗料】

上記の事を考えても、どうしても決められない!と言う方は、シリコン樹脂塗料にしてみてはいかがでしょうか。普及率も高く、性能・機能・価格とトータルでみても文句ないですし、施工回数が多いということは実績も施工例も多いので安心できると思います。

4.艶ありと艶なしの違い

塗料には質・色・水性か油性かなどの他にも「艶ありか艶なし」かを決めなければなりません。外壁塗装でいう艶ありとは光沢があり、きらきらと光を反射させる塗料のことをいいます。一方艶なしとは、光がほとんどないものを艶なしといいます。また、艶あり・艶なしの他にも、七分艶・五分艶・三分艶があり、艶の強さでランク付けされています。

下記の写真は艶ありと艶なし塗料の例写真です。実際に見比べてみましょう。

※写真×2

では次に、艶ありと艶なしの特徴をそれぞれ見ていきましょう。

艶あり 艶なし
見た目

・塗り替えたのが分かりやすい

・キラキラ・ピカピカしている

・外壁の印象が強くなる

・塗り替えたのが分かりづらい

・落ち着いた雰囲気が出る

・控えめ・ナチュラルな仕上がり

汚れにくさ

表面がツルツルしている艶ありの方が、カビやコケ等の汚れが付着しにくくなるため汚れにくく長持ちしやすいです。

艶なしは艶ありよりも表面がザラザラしているのでその分汚れが付着しやすいです。しかし、最近では汚れが付きにくい塗料も販売されています。

耐久性

汚れが付きにくいことから、その分劣化もしにくいのが艶ありです。艶があればあるほど汚れにくく耐久性も高まりますが、艶がありすぎると上品な印象は薄れてしまいます。

艶なし塗料は、艶あり塗料に艶消し剤を添加して作るのが一般的ですので、本来の塗料の性能が発揮しにくくなってしまいます。また、汚れやすいことからも艶ありに比べて耐久性は劣ります。

上記の表を見ると、艶ありの方が優れているのが分かります。しかし、艶ありが似合わない砂壁調の外壁など、どうしても艶なしが良い場合もあります。そういった時は、艶消し剤を添加して作る塗料ではなく、元々が艶なしタイプの塗料を選ぶか、塗料の質を大幅にアップさせるなどして対策しましょう。

5.外壁塗装を失敗させないための注意点

面積効果

塗り替える色を決めるときは、ほとんどの方が色見本などを見ながら検討すると思いますが、その際に気を付けなければならないのが、この面積効果です。面積効果とは、色の大きさによって見え方が変わってしまうことをいい、色は小さいと濃く見え、大きいと薄く見える現象が起こります。ですので、色見本帳などで確認した色を実際に塗ってみたら薄く感じる方が多くいます。こうならない為にも、色選びは色見本のみならず、実際に使用した施工例や、大きめの色見本などを活用しながら決めていきましょう。

色変更が出来ない箇所とのマッチング

こちらも色選びの際の注意点なのですが、色選びをするときは塗り替えを行わない箇所のこともきちんと考えなければいけません。例えば玄関ドアです。通常塗り替えをするときドアは塗り替えを行いません。ですので、外壁のことを考えるなら塗り替えを行わない箇所を把握し、それらに合う色のチョイスが必要になります。

節約を考え外壁塗装をDIY

最近流行っているDIYですが、これに伴い住宅の塗り替えを自分でやってしまおうと考える人が増えてきました。決して悪いことではないのですが、正直私はおすすめしません。外壁塗装は塗り替えだけの作業ではなく、足場の組み立て・養生・高圧洗浄などの下準備が必要です。また、一般的に塗り替えは3回塗りが原則ですので、下塗り・中塗り・上塗りと塗っていきます。もちろんこれらの作業が順調に進めば良いのですが、天気などの影響もあり、それに伴った作業を素人が完璧に行うには大変な苦労がかかるでしょう。費用は掛かってしまいますが、外壁塗装は業者に依頼するのが賢明だと思います。

塗装期間は14日を目安に

一般的な広さの住宅の場合、工期は最短でも10日〜14日かかります。もちろん天候などの影響でより日数が伸びることもありますし、土日を含まない業者もいらっしゃいます。また、住宅の劣化症状が酷ければ行う作業も当然増えて工期が伸びることもありますので、業者に依頼した時点で、ご自宅の工期はおおよそどれほどかかるのかと事前確認をしておきましょう。

業者選びが最も重要

塗装業界では、業者側と施工主側のトラブルが多いのが現状ですが、その理由は「業者側と施工主側との連携が取れてない」からです。具体的に申し上げますと、外壁塗装を行うとき、工事金額だけで判断してしまう方が多いのでが、そうなると提示された金額だけで納得し、きちんと契約内容を確認しないで工事を進めてしまうといったケースが見られます。もちろん、業者に問題がなければ、工事全体を業者任せにしてしまっても問題ないと思いますが、仮に丁寧な工事をしてくれない業者だったらどうでしょうか。手抜き工事の被害も他人事ではありません。また業者に問題がなくても、きちんと契約内容を確認していないと、業者との意思疎通が足りないがためにトラブルへと発展してしまうケースも多くあります。

6.さいごに

いかがでしたでしょうか?

外壁塗装を行う上で、一番心配する部分は「失敗したくない」という気持ちだと思います。当然大きな買い物になるわけですから、そういった考えは決して間違いではありません。失敗しない為に必要なことは「自分に合う塗料を選ぶ」・「優良業者に依頼する」の2点です。どの塗料が自分の生活スタイルに合っているのかを判断し、それに伴い信頼できる業者に依頼して、本格的な住まいづくりを実現させましょう。

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