防水塗装とは?防水力を高めるための最適な施工方法(箇所別4選)

突然ですが、家の防水対策は万全ですか?

屋根や外壁などの塗り替えは計画的に行われるのに、防水は雨漏りなどの症状が出るまで意識されないものです。というのは、塗装をすれば防水効果が出るので、塗り替えをしておけば特に防水を意識しなくてもよいと思っている方が多いからです。

実際、多くの塗装業者が外壁や屋根の塗り替えについて「防水性能が無くなって雨水が染みこんでしまっている」「塗装すれば水をはじくようになる」と説明します。確かに、防水対策として塗装は有効ですが、一口に塗装と言っても防水箇所によって材料も施工方法も違います。

「どこの業者に、どうやって工事を頼んだらいいのかわからない・・・。」

そう思ってしまった方のために、今回は防水手段の一つである塗装についてまとめました。塗装によって得られる防水効果やどういった方法で工事していけばよいのかを丁寧に説明しています。

世界平均の2倍に相当する年間1718mmの降水量がある日本で暮らす限り、家の防水について考えるのはとても大切です。水に負けない家作りに役立つ情報がこの中にあります。ぜひお役立てください。

1.あまり知られていない「防水塗装」の本当の意味

まず始めに、防水塗装という言葉をよく使う方がいますが、そのような言葉はありません。本来、塗装工事と防水工事は別物なのですが、混同して防水塗装と言ってしまっているケース多いようです。

なので、防水塗装とは何を差しているのか、正しい定義を見直すためにも塗装工事と防水工事についてそれぞれ説明していきます。

※正しい防水効果を得るためには塗装工事ではなく防水工事をする必要があります。なのでこのコンテンツでは防水工事に絞って書いていきます。ただ、塗装工事について知らなければ正しい理解ができないのでまずは「1-1.塗装工事とは」をお読みください。

1-1.塗装工事とは

塗装工事とは美観の保持と建物を外的要因から保護するために行われるものです。具体的には、塗装によって見た目を綺麗にし、新しい塗膜をつくり日差しや風雨から建物を守ることです。一般的に外壁塗装や屋根塗装と呼ばれる工事です。

塗膜とは・・・塗装後の塗料が乾いて硬化した状態

塗装工事は防水のためだけに行うものではないので、完全に水の浸入を断つ防水工事に比べると防水性は劣りますが、塗装だけでも雨水を通さない力は十分に得られます。なぜかというと、塗膜は硬くて表面がツルツルしているため、水が流れ落ち建物への浸入を軽減させるからです。

しかも各塗料メーカーはあらゆる環境下を想定して性能テストを行い、現在の日本の天候に耐えられる品質の塗料を開発、発売しています。なので、現在普及している一般的な塗料であれば雨漏りを防げるほどの防水効果が得られると思って問題ありません。

1-2.防水工事とは

防水工事とは水からの保護に焦点を定め、水の浸入を徹底的に断つための工事です。具体的には防水材料(防水性能がある材料)で防水層を形成することを目的とする工事のことです。

防水層とは・・・防水箇所に形成した水を通さない膜のこと

防水工事は工法により3種類に分かれます。

防水工法 防水材料 特徴
塗膜防水 ウレタン樹脂、アクリル樹脂など 液状の防水材料を塗り重ねて防水層を作る工法です。「塗る」防水なので複雑な形状の施工に向いています。
シート防水 ゴムシートなど シート状の防水材を並べて貼っていく工法です。このシートが防水層になります。「貼る」防水なので複雑な形状や凸凹面への施工は不向きです。
複合防水 液状のアスファルトやアスファルトシートなど シート状のしたアスファルトを並べて貼っていき、その上に溶かして液状にしたアスファルトを塗って防水層を形成していきます。丈夫で長持ちです。バーナーを使用して施工する場合があるため、施工箇所が限定され、また、熟練の技術力が必要になる工法です。

今回は塗って仕上げる塗膜防水の詳細について説明します。塗膜防水は防水材料によって4種類に分けられます。

アクリルゴム系塗膜防水とゴムアスファルト系塗膜防水は、一般住宅ではほとんど使われない工法なので、ウレタンゴム系塗膜防水とFRP防水の2種類を解説します。

ウレタンゴム系塗膜防水

ウレタン防水出典:https://kanhome.net/

ウレタンゴム系塗膜防水とは

ウレタンゴム系塗膜防水とは、ウレタン樹脂を用いた防水工事のことです。液状のウレタン樹脂と硬化剤を混ぜ合わせた物を塗って硬いゴムのような防水層を作ります。

ウレタン樹脂とはマットレスに使用されるほど弾力性があり、伸縮性が高いのが特徴です。この特徴が防水にいかされています。ウレタン樹脂で作られた防水層は伸びる性質があるため、ひび割れが起こりにくいです。水はひび割れのような隙間から侵入するので、防水層の破断に強いウレタン樹脂は防水にとても適しています。

特徴と効果

液状のウレタン樹脂を数回に分けて塗り、2~3mmの防水層を形成します。ゴム状で弾力があり継ぎ目がない仕上がりになるため水の浸入経路を断ちます。防水層自体が紫外線にとても弱いため、トップコートを塗って防水層を保護します。3~5年ごとにトップコートの塗り替えを行えば、防水層自体の耐用年数は10年程度です。

メリット

・複雑な防水箇所にも施工できる
・歩行が可能
・補修が容易

デメリット

・防水を施す表面のキレイさで防水層の品質が左右される
・防水層を均一な厚みにするのが難しい
・固まるまでの時間が長い
・雨の日は作業ができない
・有機溶剤(シンナー)の使用量が多く、においが出る

FRP防水

FRP防水出典:https://blogs.yahoo.co.jp/sakaehome0839/9948184.html

FRP防水とは

FRPとはプラスチックの防水層を形成する防水工事のことです。ガラス繊維を編んで作ったシートの上に液状の不飽和ポリエステル樹脂と硬化剤が混ぜ合わせた物を塗ってプラスチックの防水層を作ります。

船やプールなどの防水方法として採用されるほど硬くて丈夫な防水層ですが、伸縮性がありません。そのため、建物の大きな揺れなどでひび割れてしまうことがあります。また、木材の湿度による膨張と収縮の動きにも弱いため、木造のベランダなどには不向きとされています。

特徴と効果

ガラス繊維のシートを敷いた上から不飽和ポリエステル樹脂を塗り重ね、3mm程の防水層を形成します。

防水層は硬いプラスチック材になります。紫外線を浴び続けるともろくなっていくためトップコートで保護します。5年ごとにトップコートの塗り替えを行えば、防水層自体の耐用年数は10~12年程度です。

メリット

・作業途中での待ち時間がない
・歩行が可能
・補修が容易

デメリット

・施工中に悪臭が出る
・ガラスマットの飛散防止が難しい
・硬化剤の取扱いに危険が伴う
・雨の日は作業ができない
・有機溶剤(シンナー)の使用量が多く、においが出る

1-3.防水工事と塗装工事は違います!

防水工事は塗装業者ではできませんし、塗装工事は防水業者ではできません。

確かに両方とも塗る作業なので、どちらでも対応できるのではと思うかもしれませんが、前項でも説明した通り、防水工事と塗装工事は目的や使用する道具・材料も違います。塗装業者は塗装のみを専門的に施工するため塗装の知識は豊富ですが、雨漏りなどを直すには外壁や屋根を綺麗にするだけでは解決できない問題もあります。

すでに雨漏りが出てしまっている場合や、防水対策をしっかりと行っておいた方が良い箇所は、防水業者の専門知識に基づいた施工が必要です。防水は住宅の箇所と傷み具合によって適切な工法で行わなければならないため、後の項で詳しく説明しますが、家の箇所にあわせて相談先を選ぶようにしましょう。

防水業者は塗装業者に比べて数は少ないですが、それでも全国に多数あります。しかも塗装業者になるとさらに多いです。どうやって業者を選んだらいいのかわからなかったり、相談先がわからない時は一括見積もりサイトを利用すると、悩みやお住まいの地域に対応した業者をいくつか紹介してくれます。一括見積もりサイトを利用する際は、状況をしっかりとヒアリングしてくれるサイトを選ぶのがポイントです。話しをすることで、抱えている悩みにぴったりの業者を紹介してもらえます。

オススメの防水工事一括見積もりサイト

防水マイスター

防水工事専門の一括見積もりサイトです。専任のアドバイザーがヒアリングを実施し、全国の加盟店からぴったりの優良業者を紹介してくれます。

http://bosui-meister.jp/

防水工事セレクトナビ

屋上防水・外壁防水・大規模修繕の一括見積もりサイトです。防水工事にかかる工事価格の相場を無料で教えてくれます。

http://bosui.jp/

オススメの塗装工事一括見積もりサイト

いえぬり

外壁塗装の一括見積もりサイトです。リフォームに関する資格を保有するアドバイザーが専門家の立場から、外壁塗装に最適な塗装業者を紹介してくれます。

http://ienuri.jp/

イーヤネット

屋根工事に特化した一括見積もりサイトです。屋根の知識が豊富な専任スタッフが悩み相談から優良業者紹介まで担当してくれます。

http://e-yanet.jp/

2.防水の必要性

そもそも、なぜ防水工事をしなければならないのでしょうか?それは、水がもたらす「住宅への被害」と「健康への被害」を防がなければならないからです。

住宅は構造(建物の骨組み)と外装材(屋根や壁)と住宅設備(電気設備やお風呂やキッチンなど)で構成されています。その部材であるコンクリートやモルタルや木材などの外装材は、何の加工もされていない素の状態では、熱、水、汚染物など自然の要因により劣化していきます。そうして劣化した部材は、水を防ぐ機能が低下し、建物内部へ侵入を受けてしまいます。水が浸入した家は、湿度と含水率(木材に含まれる水分量)が上がり、カビやシロアリが繁殖してしまいます。その結果、住宅や健康に害を与えてしまうのです。

住宅に傷みが出ても修理で済めばいいですが、修理程度の処置では対処しきれなくなったときに、外装材だったら新しい物に交換できます。しかし、構造部分はそう簡単に交換できません。

また、健康への被害も症状がどんどん重くなっていったり、精神面へ影響が及んだりするケースもあります。様々な被害を防ぐためにも、建物に水が浸入しないように防水処理を施す必要があり、具体的には以下の対策をとることです。

  1. ひび、割れの補修
  2. コーキングの補修
  3. 建物に防水性能を持たせる

塗装工事でも防水工事でも全ての処置を同時に行うのが一般的です。しかし、建物の箇所に合った施工方法でなければ、上記の対策をしても欠点のある防水にしかならないので注意してください。

3.住宅箇所別の防水工法

防水性能の欠陥による雨漏りは大きく分けて、屋根・壁・バルコニーからです。箇所ごとの防水工法を下記にまとめました。

外壁 屋根

ベランダ(バルコニー)

施工業者
勾配屋根 陸屋根(屋上)
塗装工事 塗装業者
防水工事 ウレタンゴム系塗膜防水 防水業者
FRP防水

それでは、それぞれの防水工法について詳しく説明していきます。

3-1.外壁

外壁の防水は塗装工事で解決することができます。その場合は塗装工事業者に依頼しましょう。

雨水は上から当たるとは限りません。いろんな角度から吹き込んで外壁に直接当たり、ヒビ割れ部分などから水が浸入してしまいます。そのため、外壁にも防水対策が必要で、おすすめは塗装工事です。というのは、外壁は雨水だけでなく、紫外線や汚れなど様々な外的要因の影響を受け、それぞれに対策が必要です。

なので、外壁専用のいろいろな性能を持ち合わせた塗料を塗装するのがよいのです。前述したとおり、一般塗料の耐水性で十分に水の侵入は防げるので、水だけに絞った防水工事よりも塗装工事の方が外壁にはぴったりです。

施工方法

外壁は以下の3つの手順に沿って施工が行われます。

1.下塗り
2.中塗り
3.上塗り

オススメ塗料について

おすすめは、耐久性・耐熱性・耐水性が優れていて、値段とのバランスが一番良いシリコン塗料です。塗料の普及率は70%で施工実績が多くあり、安心して使用することができます。

3-2.勾配屋根

勾配屋根の防水は塗装工事で解決することができます。その場合は塗装業者に依頼しましょう。

勾配屋根とは、わかりやすく言うと三角屋根の事です。勾配屋根には傾斜が付いているので、水が溜まりにくく、流れやすい設計になっています。屋根は外壁同様、紫外線や雨風を直接受ける過酷な環境にさらされ続けるので、たくさんの性能をあわせ持った一般塗料での塗装工事で防水対策をしましょう。

施工方法

勾配屋根は以下の3つの手順に沿って施工が行われます。

1.下塗り
2.中塗り
3.上塗り

オススメ塗料について

勾配屋根のおすすめ塗料も外壁と同じく、シリコン塗料です。性能のバランスが優れていることと、なんといっても普及率が高い点です。塗装業者も施工経験が多く施工慣れしているので、施工ミスを回避することができます。

3-3.陸屋根・屋上

陸屋根、屋上の防水は防水工事で解決することができます。その場合は防水業者に依頼しましょう。

陸屋根とは、平面状の屋根のことです。実は平らではなく、排水口に向かって緩やかな傾斜が付いていて水を流していますが、傾斜が緩やかなので水が溜まってしまい、雨漏りに発展しやすいです。そのため、防水工事でしっかりと防水をすることが大事です。

おすすめはウレタンゴム系塗膜防水です。なぜなら、陸屋根(屋上)は外壁と同様に伸縮や動きがあります。ウレタンゴム樹脂からできたゴム状の防水層なら、動きに合せて伸び縮みするので破断のリスクを下げられます。FRPの硬い防水層ではヒビ割れが入ってしまうおそれがあるので、おすすめしません。

施工方法

陸屋根・屋上は以下の3つの手順に沿って施工が行われます。

1.プライマー塗布
2.ウレタン樹脂塗布(2~3回塗り)
3.トップコート塗布

3-4.ベランダ・バルコニー

ベランダ・バルコニーの防水は防水工事で解決することができます。その場合は防水業者に依頼しましょう。

ベランダも陸屋根と同じように平らな形状なので、水が溜まりやすく、防水工事を施す必要があります。おすすめはFRP防水です。なぜなら、ベランダは建物の動きにそこまで影響がなく、なおかつ、人がよく歩行するためFRP防水層の特徴である耐摩耗性がいきてきます。新築住宅のベランダは、ほとんどFRP防水が採用されています。

耐摩耗性とは・・・摩擦などによって物がすり減っていくのを防止する性能
施工方法

ベランダ・バルコニーは以下の5つの手順に沿って施工が行われます。

1.プライマー塗布
2.ポリエステル樹脂塗布
3.ガラス繊維シートはり付け
4.2と3を繰り返す
5.トップコート塗布

さいごに

防水は家自体の寿命を縮めないために、必ずしなければならない工事です。

本文中でもお伝えしましたが、防水は施工箇所にあった防水の工法で行わなければ意味がありません。塗装業者の中には防水工事の実績がないのに、塗装経験があるというだけで防水工事を請け負ってしまう業者がいます。こういった防水の専門知識を持っていない塗装業者が施工すると施工ミスを犯し、取り返しのつかない状態になってしまう事もあります。

塗装と防水の違いを理解し、正しい相談先を選ぶことが重要です。

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